日本全国で相続税の課税人数は、年間約12万人(2020年)です。被相続人(死亡者)が年間約137万人なので、「課税割合」(=課税人数/死亡者数)は8.7%、100人に8〜9人となっています。相続税は、相続や遺贈によって取得した財産および相続時精算課税の適用を受けて贈与により取得した財産の価額の合計額(債務などの金額を控除し、相続開始前3年以内の贈与財産の価額を加算します。)が基礎控除額を超える場合に、その超える部分(課税遺産総額)に対して課税されます。ここで「基礎控除額」は
3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
の算式で計算されます。
例えば、法定相続人が3人(妻と子2人)なら3,000万円+600万円×3人=4,800万円までの相続であれば、相続税はかかりません。
相続税がかかる場合の特例措置として「小規模宅地等の課税価格の計算の特例」という制度があります。これは、被相続人(亡くなった方)の居住用や事業用であった宅地に高額な相続税が課されると、相続税を支払うためにその宅地を処分しなければならなくなり、相続人が居住したり事業を引き継ぐことができなくなってしまうことを抑えるための制度です。このような宅地(一定の要件※を満たした宅地)については、この制度を使えば、通常の評価額から一定割合の評価減を受けることができます。なお、評価額は「路線価方式」(主に市街地の評価に適用)や「倍率方式」(郊外などの路線価がない場合に、当該土地の固定資産税評価額に評価倍率を乗じて計算)で求められます。
※一定の要件は以下のとおりです。
| 用途 | 区分 | 限度面積 | 減額割合 |
| 居住用 | 特定居住用宅地等(注1) | 330m2 | 80% |
| 事業用 | 特定事業用宅地等(注2) | 400m2 | 80% |
| 事業用 | 貸付事業用宅地等 | 200m2 | 50% |
(注2)取得した人が申告期限まで事業を引き継いだ場合など
評価減を受ければ、「当該資産の評価額×相続税率」分の節税となります。
例えば、相続する特定居住用宅地300m2の評価額が3,000万円で、相続税率が10%、基礎控除をしても相続税が課税される場合、この特例制度を使わなければ、3,000万円×10%=300万円の相続税がかかるところ、特例を使うことで[3,000万円×(1-80%)]×10%=60万円の相続税で済むということになります。
限度面積を超える部分については、この特例は適用されません。また、この特例を適用するためには、相続税の申告期限(相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内)までに遺産分割を済ませておく必要があります。
坪単価が都市部で330m2以下の土地に住んでいる場合、大きく相続税を減らす効果があります。
(注)個別具体的な税務相談や税務書類の作成は、税理士資格が必要であり、上記はあくまで一般的な説明となります。
