遺贈と死因贈与の違い

「遺贈」と「死因贈与」は言葉として似ていますが、何が違うのでしょうか。

まず「遺贈」とは、遺言によって人に遺言者の財産を無償で譲ることを言います。契約ではないため、一方的な意思表示であり、受遺者は遺言者の死亡後、いつでも遺贈を放棄することが出来ます(民法986条1項)。また、遺言によるものであることから、生前であれば本人はいつでも撤回出来ます。

一方、「贈与」は契約であり、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効果を生じる契約です(民法549条)。「死因贈与」は「贈与」の1つの形態であり、贈与者の死亡によって効果を生ずる贈与です(民法554条)。つまり、生前に「自分が亡くなったらあげる」という契約をしておくというもので、本人単独ではなし得ず、もらう人の受諾意思が必要です。「死因贈与」は遺贈に関する規定を準用することが民法で定められていることから、書面があっても、生前であれば本人はいつでも撤回出来ます。

なお、「死因贈与」も「遺贈」も、相続財産から履行される点は共通です。