認知症になると出来なくなること

新潟県によれば、令和4年9月15日で推計される老年人口(65歳以上人口)は71万8千人で、県人口に占める老年人口の割合は33.3%となっています。超高齢化社会に備えた対策として、「遺言」「相続税対策」などに加え、生きている間の「認知症対策」の必要性がますます高まってくることは疑いようがありません。

認知症になると、判断能力の欠如などにより、

・不動産売却が出来なくなり、介護に向けた資金準備が出来なくなる

・銀行口座からお金が引き出せなくなり、口座凍結状態となってしまう

・認知症の方自身が相続を受ける立場(相続人)である場合、遺産分割協議や相続手続きのために後見人を付ける必要が出てしまい、時間とお金がかかってしまう

・株や国債、投資信託などの売却や解約に支障が出る

・悪徳商法に騙され、高額商品やリフォーム詐欺などのために多額の財産を失ってしまう

など、様々なトラブルが発生する恐れがあります。認知症になって口座からお金が引き出せなくなってから慌てて「法定後見」の手続きをする方がほとんどです。この場合、家庭裁判所に申立て、審理、審判を経てようやく後見が始まるため、待たなければならない時間が一定程度あり、心配な状態が継続することになります。

このように、認知症を発症してからだと、何かと不具合や焦りもあるため、元気なうちから行える対策がいくつかあります。

【財産管理委任契約】…病気やケガ、衰えなどが理由で、出歩くことが困難な方や、寝たきりである等の理由から外出が困難な方が、金融機関での手続きなど、財産管理に必要な行為を委任(代理権を付与)しておく契約。預貯金や有価証券の管理、賃貸収入や物件の管理、修繕手配などを委任する例もある。

【見守り契約】…本人と支援者(任意後見の受任者など)との間で自由に結ぶ契約。本人が健康か、徐々に判断能力が失われつつあるような状況で、定期的な見守りをすることで、本人の生活や健康状態を見守る。見守りで様子を見ながら、介護サービス利用の検討や、判断能力の低下が著しくなってきた場合に、任意後見開始のタイミングを見ていく。

【任意後見契約】…判断能力があるうちに、将来認知症などで判断能力を喪失し、後見人等を付けることが必要となる場合に備えるもの。財産管理に係る事務などについて代理権を付与する。契約は公正証書で行う。

これらはいずれも認知症発症前、すなわち判断能力がある時に、予め契約し準備しておくというものです。認知症になってからでは導入出来ないことから、知識を持って、準備を進めておくのが望ましいのです。