行政書士法第1条の2によれば、「権利義務に関する書類の作成」、「事実証明に関する書類の作成」が行政書士の業として規定されています。
相続手続きにおいて行政書士は、
①相続人関係図作成業務 ⇒ who(誰が相続人となるのか整理した書類の作成)
②遺産目録作成業務 ⇒ what(遺産の範囲を整理した書類の作成)
③遺産分割協議書作成業務 ⇒ how(誰が何を相続するのか整理した書類の作成)
を行います。
<①相続人関係図>
・相続人を確定させるために、行政書士が作成に必要な方の戸籍、戸籍の附票(住民票など)を取り寄せます。(戸籍法第10条の2および住民基本台帳法第12条の3に基づく職務上請求書、もしくは委任状により請求)
・被相続人(亡くなった方)の氏名・生年月日・死亡日・本籍・最終住所・婚姻日などを記載します。
・相続人(ご遺族)の氏名・生年月日・本籍・住所・婚姻日などを記載します。
・法定相続人が漏れなく関係図に反映されるよう、亡くなった方の出生まで戸籍を遡って調査します。
<②遺産目録>
・受任後に最初にお伺いする時に、亡くなった方ご名義の「固定資産納税通知書」「銀行の通帳」「証券会社等から届いている取引残高証明書」をご準備いただきます。
・財産目録には以下の事項を記載します。残高証明書などの必要書類は当方で取り寄せます。
不動産・・・所在地、地番、家屋番号など
預貯金・・・金融機関名、支店名、種類、口座番号、残高など
有価証券・・・証券会社名、銘柄、数、時価など
動産・・・車、骨とう品、貴金属など
生命保険・・・保険会社名、保険の種類、証券番号、保険金の額など
負債・・・借入先・借入日・返済日・元本・残高など
<③遺産分割協議書>
・遺言がなく、法定相続分によらずに、相続人間で協議により遺産分割をする場合、または、遺言はあるが相続人全員の同意により、遺言とは異なる遺産分割を行う場合に、分割協議結果を書面にします。
・相続人全員の協力がないと遺産分割協議書は作成できません。
・ご依頼者様から他の相続人様へご連絡を取っていただき、遺産目録の資産・負債をどなたが相続されるか、協議していただきます。(争いが生じた場合は、弁護士法に基づき、行政書士はその後の手続きは出来ません。)
・音信が途絶えている相続人や、面識のない相続人がいる場合は、行政書士名で手紙を送ることも可能です。
・分割案が纏まりましたら、相続人の人数分の遺産分割協議書をお送りしますので、相続人全員のご署名・押印(実印)をお願いいたします。
・金融機関の手続きのために必要な印鑑証明は、当方で取り寄せます。
・相続登記や相続税の納税が必要な場合は、予めご依頼者様に確認のうえ、必要な調整をさせていただきます。
【参考】相続税がかかるケース
日本全国で相続税の課税人数は、年間約12万人(2020年)です。被相続人(死亡者)が年間約137万人なので、「課税割合」(=課税人数/死亡者数)は8.7%、100人に8〜9人となっています。
相続税は、相続や遺贈によって取得した財産および相続時精算課税の適用を受けて贈与により取得した財産の価額の合計額(債務などの金額を控除し、相続開始前3年以内の贈与財産の価額を加算します。)が基礎控除額を超える場合に、その超える部分(課税遺産総額)に対して、課税されます。ここで「基礎控除額」は
3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
の算式で計算されます。
つまり、法定相続人が
1人(例えば妻のみ)なら3,000万円+600万円=3,600万円まで
2人(例えば妻と子1人)なら3,000万円+600万円×2人=4,200万円まで
3人(例えば妻と子2人)なら3,000万円+600万円×3人=4,800万円まで
の相続であれば、相続税はかかりません。なお、行政書士は税務のご相談や税金の計算を行うことが法律上認められないため、相続税が発生するケースにおいては、提携先の税理士に連携いたします。(相続税の申告・納税期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内です。)
